ニュースリリース

平成16年7月27日

北海道ガス株式会社
株式会社ハーマン
株式会社ハーマンプロ
ガス給湯暖房用熱源機の不具合に係わる無償点検と改善措置について

 北海道ガス㈱(本社:札幌、社長:前泉洋三)および販売会社・㈱ハーマン(本社:大阪市、社長:寺内修)、製造会社・㈱ハーマンプロ(本社:大阪市、社長:西端 雄二)は、北海道ガスが平成8年11月から販売した「ガス給湯暖房用熱源機」において、ごくまれに機器に接続されている排気筒が通常よりも高温となり、排気筒を覆っている断熱材から臭いや煙が発生する可能性があることが判明したため、7月28日から、対象機器について無償点検および改善措置を実施させていただくことといたしました。
 なお、この件につきましては、本日、製造者であるハーマンプロが、経済産業省に届出を行っております。
 当該機器をご利用のお客さまには、多大なご迷惑をおかけいたしますことを心よりお詫び申し上げますとともに、点検および改善措置の実施につきまして、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


1.対象機器および点検対象台数
(1)対象機器

北ガス商品型式名(製造品名) 北ガス商品製造台数 製造期間
BD-245FA-JL(YG1605FT) 4,896台 1995.8~1999.9
BD-246FA-L(YG1607FT)
※上記商品はすべて北ガス専用品です。
※なお、上記商品は、平成15年6月11日に、排気通路部の腐食に対する自主点検の届出を行った機種でありますが、今回の事象は全く別の原因であります。
(2)点検対象台数

内  訳 点検対象台数
北ガス 札幌地区 4,527台
小樽地区 141台
函館地区 2台
北ガスジェネックス(LPG) 163台
合  計   4,833台(※)
※製造台数との差異は、機器更新による撤去のほか、モデルルームや試験研究での使用によるものです。

2..不具合事象とその発生原因

(1)不具合事象
 当該機器を運転した際、ごくまれに機器に接続されている排気筒が通常よりも高温となり、さらにそのまま長時間運転を継続した場合、排気筒を覆っている断熱材(ロックウール)に含まれる樹脂成分の一部が蒸発し、異臭を発したり、蒸発量が多い時には、煙のように見える状態となります。

(2)発生原因(参考資料「構造図」および「燃焼模式図」をご参照ください)

  1. 当該機器は、給湯側燃焼部に送る燃焼空気量が低めであることから、燃焼ガス中の水蒸気の密度が高めとなります。なおかつ給水温度が低い場合には、給湯熱交換器内部に結露が発生しやすくなり、また、この時に燃焼生成物が熱交換器内部に付着する場合があります。
  2. 熱交換器内部に燃焼生成物が詰まると燃焼ガスが流れにくくなり、この時、「火がつかない」「湯温が低い」などの故障状況が発生する場合があります。
  3. さらに熱交換器内部の詰まりが著しく進むと、熱交換器の端部から高温の燃焼ガスが排出されます。
  4. この高温の燃焼ガスが排気筒に送られるため、機器寄りの排気筒および排気筒を覆っている断熱材(ロックウール)が過熱します。その結果として、(1)の不具合事象が発生いたしました。

3.本事象による影響
(1)当該機器に接続されている排気筒は、不燃材料である断熱材(ロックウール)で覆われているため、排気筒の過熱による火災の恐れはありません。

(2)断熱材であるロックウールから臭い・煙が発生した場合についても、その原因は、ロックウールに含まれている微量の樹脂成分が蒸発したことによるものであり、人体への影響はありません。

(3)本事象に至る過程において、「火が着かない」「湯温が低い」などの故障状況が発生する場合があります。

4.点検実施に至った経緯
 平成15年12月初旬、当該機器を設置しているお客さま宅で、給湯使用中に異臭および煙が発生したとの事実を確認し、原因調査に着手いたしました。その後、平成16年6月までに同様の事象が1件、類似と思われる事象が4件発生したため、これらも含め、北海道ガスとハーマンプロで詳細に調査・分析を進めた結果、このほど発生原因が判明いたしました。
 冬期に本事象が発生した場合には、修理のために暖房を長時間使用できなくなるなど、お客さまに大変なご不便をおかけすることとなりますので、自主的に無償点検と改善措置を実施することといたしました。

5.お客さま対応

(1)点検および改善措置

  1. 点検実施時期
     平成16年7月28日(水)から平成16年10月末を目処に、該当するお客さま宅を訪問の上、順次点検作業を実施いたします。
  2. 点検および改善措置の内容
    排気ガス中のCO(一酸化炭素)濃度を測定することにより、機器の燃焼状態を確認します。(測定結果が基準値を超えた場合は、給湯側熱交換器の掃除・交換を行います。)
    燃焼を制御する電装基板を交換することにより給気ファンの回転数を上昇させ、給湯側燃焼部への燃焼空気量を十分に確保します。

(2)周知方法
当該機器を設置しているお客さまは全て特定しておりますので、マンションの管理組合様を含め、お客さまごとに点検のお知らせを行います。


6.この件に関してのお客さまのお問合せ先
北海道ガス株式会社 011-231-9511

以上


<参考資料>
 
■外観図 ■構造図
 
■当該製品の見分け方
熱源機本体フロントパネル右下部の定格銘板の型式名で見分けます。
 
■燃焼模式図