ニュースリリース

2006年3月27日
北海道ガス株式会社

天然ガスのハイドレート化に関する
北見工業大学との共同研究について


このたび、北海道ガス株式会社(本社:札幌市、社長:前泉洋三)と国立大学法人北見工業大学(北見市、学長:常本秀幸)は、天然ガスのハイドレート化に関する共同研究契約を締結することとなりましたのでお知らせいたします。

■共同研究契約の内容

1.共同研究の名称

「北海道ガス(株)が札幌、小樽、千歳等で供給している天然ガスのハイドレート化に関する基礎的研究」

2.共同研究の内容

(1) 天然ガスのハイドレート化における都市ガス中の微量成分の挙動に関する研究
(2) ハイドレート化した天然ガスを再ガス化した場合における都市ガスとしての品質に関する研究
(3) 天然ガスハイドレートの輸送・貯蔵に関する研究
(4)

北海道の寒冷環境を利用したハイドレート化に関する研究


3.共同研究契約締結日と期間

契約締結日 平成18年4月1日
期間 平成18年4月1日~平成19年3月31日

4.共同研究の体制

北海道ガス 技術開発研究所
北見工業大学

地域共同研究センター(窓口)
研究担当責任者 高橋 信夫 教授(機能材料工学)



■共同研究契約の内容

  1. 寒冷地である北海道の地域特性を活かしたテーマであり、気体(ガス)、液体(LNG(液化天然ガス))に続く第3(固体:ハイドレート)の天然ガス利用方法の開発により、北海道におけるハイドレート活用ビジネスの可能性を探る。

  2. 北見市営ガス事業を譲り受けたことにより、本年4月1日から新たに当社の供給エリアとなる北見市において、地域を代表する研究・学術機関である北見工業大学の研究開発を支援することで地域との連携強化を図る。

  3. ハイドレート技術を得意分野とする北見工業大学との共同研究により、将来における利用技術開発に向け、当社の技術レベル向上を図る。

<参考資料:「天然ガスのハイドレート化」について>

  • ハイドレートとは、低温・高圧の条件で水分子が形成するカゴ状構造の中に他の分子を取り込んでできる氷状又はシャーベット状の物質のことで、カゴの中にメタンを取り込むとメタンハイドレート、二酸化炭素を取り込むとCO2ハイドレートになります。

  • 都市ガスとしてお使いいただいている天然ガスはメタンを主成分にしていますが安全にお使いいただけるよう熱量調整や付臭の目的で、他の成分もわずかに含んでいます。本共同研究では、天然ガスをハイドレート化したときのメタン以外の成分の挙動や、再びガス化した際の都市ガスとしての品質、ハイドレート化した天然ガスの貯蔵・輸送方法といったテーマを取り扱います。

  • 現在、天然ガスは、気体のまま、あるいは液体のLNGとして貯蔵・輸送されています。気体の場合にはパイプラインで運ぶしかなく、またLNGの場合は大量に運ぶ際にはメリットがあるものの、マイナス162度という極低温を保つ必要があるため、貯蔵や輸送に特別な設備が必要となります。
    固体であるハイドレートは、LNGに比べて同じ熱量あたりの体積は大きくなりますが、マイナス20~30度で貯蔵・輸送できるため、取り扱いが比較的容易であり、新たな貯蔵・輸送の手法が確立できる可能性があります。