ニュースリリース

米国製・28kWマイクロガスタービンの実証試験開始について

北海道ガス株式会社

この度、北海道ガスでは米国製・28kW小型ガスタービン発電機を購入して、弊社技術開発研究所内に設置、実証試験を開始する運びとなりましたのでご案内いたします。

1.背景

 コージェネレーション(熱電併給)とは、電気と熱の両方の需要がある建物や地域に発電設備を設置し、「発電した電気」と「同時に発生する排熱」の両方を無駄なく有効に利用するシステムのことを指します。
 中でも、都市ガスを燃料としたコージェネレーションは、二酸化炭素や大気汚染物質の排出量が特に少なく、環境問題がクローズアップされている昨今、大きな注目を集めており、大規模な施設を中心に広く普及が進んできております。
 しかし近年、市民レベルでの環境意識の高まりを背景として、マイクロガスタービンや家庭用燃料電池等、小型コージェネレーション機器の高性能化へ向けての技術開発競争が世界的に繰り広げられており、近い将来これらを中心とした小型分散電源の時代が訪れる可能性があります。

2.北海道ガスのコージェネレーションに対する取り組みについて

 北海道は冬場の暖房期間が長く、店舗やオフィスの冷房もごく一般的になってきており、一年を通して発電排熱が有効に利用出来ることから、コージェネレーション導入による省エネルギー効果が非常に大きく得られる地域であると言えます。
北海道ガスとしては、平成8年から札幌市内の天然ガス化に着手し、石油系ガスからの脱却を図るとともに、10年以上前からガスコージェネレーションの普及促進に努めており、「環境に優しいエネルギー供給」へ向けて、従来から積極的に取り組んできております。
 最近では、マイカル小樽地区における大規模コージェネレーションを核としたエネルギー供給事業へ参画している他、平成15年には札幌駅南口再開発地区においてもコージェネレーション利用の地域冷暖房を新規に開始するため、札幌市と共同で事業を推進しております。
 今後は、弊社がこれまで蓄積してきたエネルギーコンサルティングのノウハウを活かせるエネルギーサービス事業にもチャレンジし、さらには高性能化が進む新しいハードウェアの技術開発にも積極的に関わっていくことを予定しております。この中ではエネルギー消費が増大を続けている家庭用分野にも省エネルギー型システムを提案すべく新たな事業展開を目指しております。

3.マイクロガスタービン及び実証試験について

 マイクロガスタービンについては国内外含めて約10社が世界的な開発競争をしており、各社とも従来に比べて導入費用・メンテナンス費用を大幅に低減する計画を発表しています。
 今回の実証試験では、現時点において最も完成度が高いと思われる米国・Capstone社製のガスタービンを購入して、基本性能や耐久性の確認の確認を行うとともに、実際の導入へ向けてエンジニアリング体制の早期構築を図る計画です。
 また、他メーカー及び燃料電池についてもメーカーの開発動向を調査しつつ、早期に導入・実証試験を行って、1~2年後には一部フィールド試験も実施する計画をしております。 

今回購入したガスタービンの概要
メーカー Capstone社(米国)
発電出力 28kW
発電効率 25~26%程度
使用燃料 天然ガス
重量 約633kg
外形寸法 1,900mmH×714mmW×1344D

特徴
・小型・軽量
冷蔵庫なみの大きさを実現
・メンテナンスが容易
部品交換がユニット単位で可能
・価格が安価
現時点では同一クラスのガスエンジン(30万/kW程度)より-30%程度(20万/kW程度)の見込み

スケジュール
2月下旬 試験設備
3月 ~
実証試験開始
(基本性能・仕様の確認)
・発電機としての基本性能,操作性等の確認
・国内での設置にあたってのエンジニアリング検討
(コージェネとしての検証)
・排熱回収方法/効率の検討
・連続運転試験