マイホーム発電の進化に向けた技術開発

マイホーム発電の進化に向けた技術開発

従来の大規模集中発電システムでは、発電時の排熱を利用できないため、実際に利用できるエネルギーは40%程度でした。これに対し、電気と熱を利用する場所で、小型のガスエンジン・ガスタービンや燃料電池などで発電し、排熱も有効に利用することでエネルギー利用効率を80%以上に高めるのが分散型電源・コージェネレーションです。家庭用についても、「ガスマイホーム発電」として既に全国の多くのご家庭でご利用いただいています。

新型ガスエンジンコージェネレーション「COREMO」の開発

ご家庭における電気や熱の使われ方は、家族構成や年齢層によって異なります。北ガスでは、さまざまなご家庭の使用状況に対応するため「マイホーム発電」の高効率化とバリエーションの拡大に取り組んでいます。

その第一弾として、より寒冷地に適した家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム「COREMO」をアイシン精機㈱と共同で開発し、2011年5月から販売を開始しました。
「COREMO」は、ガスエンジンの排熱を暖房のみに使用するため、従来システムで必要な貯湯タンクが不要です。さらに、既存のエコジョーズでバックアップ運転を行うなど、システムのシンプル化と高効率化を実現しています。

2013年5月には、「COREMO」2号機の販売を開始しました。さらなる高効率化と停電時の発電継続機能等を追加し、性能と機能を向上させました。

家庭用燃料電池「エネファーム」の寒冷地仕様開発

燃料電池は、天然ガスから取り出した水素と空気中の酸素から化学反応で直接電気を作るシステムです。従来の発電方式に比べ発電効率が高く、発電時に発生する熱も高効率に回収し、給湯などに有効に利用できることから、省エネ・省CO2なシステムとして期待されています。

北ガスでは、2001年度から北海道大学と共同で固体高分子形燃料電池(PEFC)の寒冷地における評価を開始しました。また、2005年度からは、国の大規模実証事業に参画し、一般家庭に試験機を設置し、さまざまなデータを収集してきました。さらに、Panasonic(株)と家庭用燃料電池「エネファーム」の寒冷地仕様機を開発し、2011年8月に北海道で初めて※販売を開始しました。

※都市ガス仕様機として

このほか、PEFCよりも発電効率が高く、構造もシンプルな固体酸化物形燃料電池(SOFC)の研究開発にも取り組んでおり、国の実証研究でシステムを一般家庭に設置し、寒冷地における評価などを行いました。